配列 | Teaching Programming

C言語の配列

C言語では、データをまとめて扱う方法（の1つ）として、「配列」があった。例えば、int型の変数を5つ扱う場合には、

int a[5];

int a[5];

と宣言することによって、a[0]、a[1]、a[2]、a[3]、a[4]という5つの変数が使える。

プリミティブ型の配列

Main1.java: プリミティブ型の配列の利用例

宣言とインスタンス化

int[] a = new int[5];

1	int[] a = new int[5];

Java言語では、「int型の配列」は「「int型の配列」という型」があると考えた方が良い。だからというわけでもないが、C言語のように変数名の後ろにかっこがくるのではなく、「int[]」を型として扱うように書く。そして「インスタンス化」が必要。インスタンス化はnew演算子を用いる。

注意して欲しいのは、プリミティブ型の配列の場合、インスタンス化時に各要素は勝手に初期化されてしまう、ということ。例えば、

int i;
System.out.println(i);

1 2	int i; System.out.println(i);

は、bが初期化（値の代入）がされていないのでエラーだが、

int[] a = new int[5];
System.out.println(a[0]);

1 2	int[] a = new int[5]; System.out.println(a[0]);

はエラーにならない。aの各要素は0で初期化されている。もちろん、

int[] a;

int[] a;

はaの宣言だけでインスタンス化がされていないので、何もできない。次のように宣言とインスタンス化を分けるのはOK。

int[] a;
a = new int[5];

1 2	int[] a; a = new int[5];

要素へのアクセス

C言語と同様に添え字でアクセスできる。

a[0] = 1;
a[1] = 10;
a[2] = 1000;
a[3] = 10000;
a[4] = 100000;

a[0] = 1;

a[1] = 10;

a[2] = 1000;

a[3] = 10000;

a[4] = 100000;

添え字に変数を使うこともできるので、for文を使ってアクセスすることもできる。

for (int i = 0; i < 5; i++) {
    System.out.print(a[i] + " ");
}
System.out.println();

for (int i = 0; i < 5; i++) {

System.out.print(a[i] + " ");

}

System.out.println();

また要素数を直接書かずに、次のように書くこともできる。

for (int i = 0; i < a.length; i++) {
    System.out.print(a[i] + " ");
}
System.out.println();

for (int i = 0; i < a.length; i++) {

System.out.print(a[i] + " ");

}

System.out.println();

ここで、a.lengthに注目しよう。これは「配列aの要素数」を表している。

実は、配列というのは、クラスのインスタンスのようなもので、lengthというフィールドを持っているように扱える（ただし読み出し専用）。配列の要素も、「添え字でアクセスできる特殊なフィールド」と考えて良い。

つまり、

int[] a = new int[5];

1	int[] a = new int[5];

のイメージはこんな感じ。

宣言と同時に初期化

要素数の指定は必要ない。

int[] b = {2, 20, 200, 2000};

1	int[] b = {2, 20, 200, 2000};

クラス型（参照型）の配列

Main2.java: クラス型（参照型）の配列の利用例

参照型の配列も同様だが、各要素はそれぞれインスタンス化する必要がある。例えば、lesson07で作成したRectangleクラスの配列を作ってみよう。別のパッケージのクラスを使うためのimport文については教科書P.167を参照。

Rectangle[] a = new Rectangle[3];

1	Rectangle[] a = new Rectangle[3];

この状態では、各要素はインスタンス化されていないことに注意（プリミティブ型の配列の場合は、配列のインスタンス化のタイミングで要素が初期化されていた）。
だから、配列をインスタンス化しただけでは、次のコードはエラーになる。

System.out.println("a[0]の面積は" + a[0].getArea());

1	System.out.println("a[0]の面積は" + a[0].getArea());

aの0番目の要素a[0]がインスタンス化されていない（つまりa[0]という入れ物が空っぽ）だからだ（これが所謂「ぬるぽ」）。

だから、各要素をインスタンス化（あるいはインスタンスを代入）してやらなければならない。

a[0] = new Rectangle(1, 2);
a[1] = new Rectangle(3, 4);
a[2] = new Rectangle(4, 5);

a[0] = new Rectangle(1, 2);

a[1] = new Rectangle(3, 4);

a[2] = new Rectangle(4, 5);

forの利用や初期化等はプリミティブ型の場合と同様。

その他のトピックス

mainメソッドの引数はString[]である。これはコマンドラインから実行するときに指定することができる。つまり、プログラムの実行時に（コンパイル時ではなく）値を渡すことができる!!
他にも、多次元配列に関して等、知っておいた方がいいことがあるが、本講義では取り扱わない。実用の観点からは配列よりもコレクションフレームワークを使うことの方が多い（来年度のJava IIで扱う）。ただし、処理二よっては配列を使った方が都合が良い場合もあるので、ぜひ調べてみて欲しい。